この記事で解決すること
・YouTubeの平均再生率/視聴者維持率の意味や見方、違いは?
・平均再生率/視聴者維持率の目安や平均とは?
・平均再生率/視聴者維持率が低い場合、上げる方法は?
YouTubeからの収入や再生数を伸ばすために、「平均再生率」「視聴者維持率」は極めて重要です。
これらが高いほど、YouTubeから「優遇」され、収益や再生数が圧倒的に伸びやすくなります。
逆に、これらの数値が目安・平均より低い場合、あなたの動画はYouTube上で表示されなくなり、存在にすら気づかれません。
今回の記事では、YouTubeの平均再生率・視聴者維持率とは何なのかや、その見方・目安・平均値、さらには上げる方法まで解説します。
もくじ
YouTubeの再生率・平均再生率とは?
最初に、YouTubeの「平均再生率」とは何か、その意味について解説します。
これを理解するためには、まず「再生率」というものを理解することが必要です。
再生率とは
再生率とは、動画全体の長さのうち、ある特定の視聴者から再生(=視聴)された割合を、%(パーセント)で表したものです。
計算式は、次の通りです。
例えば、全長「10分」の動画を考えます。この動画を、視聴者Aさんが「3分」だけ再生したとします。
この場合、Aさんによる再生率は、次のように計算できます。
今度は、この動画を視聴者Bさんが「5分」だけ再生したとします。
この場合、Bさんによる再生率は、次のように計算できます。
以上のように、「それぞれの視聴者が動画全体の何%を再生したのか」をパーセントで表した数値が、再生率です。
平均再生率とは
そして、動画を見た視聴者それぞれの再生率を平均したものが、「平均再生率」です。
平均再生率は、以下のように計算が可能です。
例えば、Xさん・Yさん・Zさんの3人が、動画を再生したとします。それぞれの再生率が、以下の通りだったとします。
視聴者 | 再生率 |
---|---|
Xさん | 10% |
Yさん | 50% |
Zさん | 30% |
この場合、動画の平均再生率は、以下の通り計算できます。
以上のように、平均再生率とは、動画をこれまでに見た視聴者の再生率の平均です。
「動画全体の長さのうち、視聴者から実際に見られている長さはどれくらいなのか」を、%で知ることがができます。
YouTubeの視聴維持率(=視聴者維持率)とは?
次に、YouTubeの視聴維持率(=視聴者維持率)とは何かを、詳しく解説します。
「視聴維持率」と「視聴者維持率」は、両方とも同じ意味です。YouTubeの動画編集画面には、以下のような記載がされています。
計算は、次のような式から可能です。
これを理解するには、「各瞬間の視聴回数」と「全視聴回数」について知る必要があります。
それぞれについて、ここから詳しく解説していきます。
「特定の瞬間における視聴回数」とは
「各瞬間」とは、動画の冒頭(0分00秒)から数えた各再生時間(瞬間)のことを表します。
例えば、「3分48秒」「7分09秒」「9分30秒」などがこれに該当します。
YouTubeの視聴者は、途中で動画を見るのを止めたり、途中をスキップして先を見たりできます。
このため、同じ1つの動画であっても、瞬間ごとに視聴回数が大きく異なります。例えば、次のようになります。
再生時間(瞬間) | 視聴回数 |
---|---|
3分48秒 | 50回 |
7分09秒 | 30回 |
9分30秒 | 10回 |
視聴回数は、一般的に動画の冒頭ほど多く、終了に近づくにつれて下がる傾向があります。
これは、再生開始から時間が経過するほど、途中で見るのをやめる人が増えるからです。
「全視聴回数」とは
「全視聴回数」とは、その動画が今までに視聴(=再生)された回数の合計を表します。
こちらは、実際に視聴された時間と関係なく、1回視聴されれば「1回」としてカウントされます。
私たちが普段「再生回数」や「視聴回数」と呼んでいるものは、この「全視聴回数」を表す場合がほとんどです。
例えば、以下のような文章や会話における「視聴回数」という単語は、厳密に言えば「全視聴回数」のことを表します。
・動画の視聴回数が伸びない
・もっと視聴回数を増やしたい
・この動画の視聴回数は1500回です
以上の通り、「全視聴回数」とは、その動画が今までに視聴(=再生)された回数の合計のことです。
視聴者維持率の計算方法
以上の知識を踏まえた上で、視聴者維持率の計算方法を改めて解説します。
例えば、動画の総再生回数が「100回」だとします。
それぞれの再生時間における視聴回数(=再生回数)が、以下の通りだとします。
再生時間(瞬間) | 視聴回数 |
---|---|
3分48秒 | 50回 |
7分09秒 | 30回 |
9分30秒 | 10回 |
この場合、それぞれの再生時間における視聴者維持率は、以下のように計算できます。
「3分48秒」時点での視聴者維持率
50 ÷ 100 = 0.5 = 50%
「7分09秒」時点での視聴者維持率
30 ÷ 100 = 0.2 = 30%
「9分30秒」時点での視聴者維持率
10 ÷ 100 = 0.1 = 10%
視聴者維持率を確認することで、「動画における特定の瞬間が、どれくらいの割合で見られているのか」を把握できます。
このように、「特定の瞬間における視聴回数」を、その動画の「全視聴回数」で割った数字が、視聴者維持率です。
平均再生率と視聴者維持率の違い
なお、「平均再生率と視聴者維持率の違いはあるのですか?」という質問を頂くことがよくあります。
ここまで解説した通り、それぞれの言葉の定義は以下の通りです。
平均再生率:動画全体の長さのうち、視聴者から再生(=視聴)されている割合の平均
視聴者維持率:特定の瞬間における視聴回数(=再生回数)を、その動画の全視聴回数で割ったもの
平均再生率が動画「全体」に対する数値なのに対して、視聴者維持率は動画における「各瞬間」を切り取ったもの、という違いがあります。
ただ、実際には「平均再生率」も「視聴者維持率」も、同じ意味として使われることが多いです。
例えば、「平均再生率」が30%の動画を、「この動画の視聴者維持率は30%です」と表現することはよくあります。
以上のように、平均再生率と視聴者維持率は違います。ただ、両者は同じ意味の言葉として用いられることも多いです。
YouTubeで平均再生率・視聴者維持率が重要な理由
それではなぜ、YouTubeにおいてこれらの指標が重要なのでしょうか。
これには、主に以下の3つの理由があります。
・広告収入を劇的に左右する
・再生回数を劇的に左右する
・シーンごとの視聴者満足度が分かる
それぞれについて、ここから詳しく解説していきます。
広告収入を劇的に左右する
平均再生率・視聴者維持率は、広告収入を劇的に左右します。
このことを理解するには、YouTubeで広告収入が発生するタイミングを知る必要があります。次の通りです。
投稿者に広告収入が発生するタイミング
基本的には、投稿した動画において、広告が「表示」されるごとに、投稿者に収入が発生する仕組みです。
つまり、視聴者に表示される広告の数が多いほど、広告収入も多くなります。
例えば以下のような、広告が4回表示される動画を投稿したとします。
図:動画が合計4回表示される動画
この動画の平均再生率・視聴者維持率が高いほど、視聴者にもより多くの広告が表示されます。
例えば、最初から最後まで見てくれた視聴者には、4つすべての広告が表示されます。
図:最初から最後まで見た視聴者には、広告がすべて表示される
逆に、平均再生率・視聴者維持率が低いと、視聴者に表示される広告の数は伸び悩みます。
例えば、開始30秒で見るのをやめる視聴者ばかりの場合、表示される広告の数は、「1」だけで終わります。
図:視聴者の再生時間が短ければ、広告は一部しか表示されない
このように、平均再生率・視聴者維持率は、表示される広告数を大きく左右します。
なお、YouTube広告収益の仕組みについては、以下の記事で詳しく分かりやすく解説しています。
【参考記事】【YouTube】1再生の広告収入単価はいくら?収益は何円?
再生回数を劇的に左右する
また、平均再生率・視聴者維持率は、動画の再生回数(=総再生回数)をも劇的に左右します。
具体的には、次のようになります。
平均再生率(視聴者維持率)と再生回数の関係性
・平均再生率(視聴者維持率)が低いほど、再生回数も少なくなりやすい
・平均再生率(視聴者維持率)を上げるほど、再生回数も多くなりやすい
この理由は、平均再生率・視聴者維持率が高い動画であるほど、YouTubeが「インプレッション数」を増やしてくれるからです。
インプレッション数とは、YouTubeのアプリ・サイトにおいて、動画のサムネイルが自動で表示(=インプレッション)される回数のことです。
検索結果でのインプレッション
関連動画へのインプレッション
ホーム画面へのインプレッション
あなたが、YouTubeで誰かの動画を見るときのことを思い出してみてください。
インプレッションされた動画の中から、興味を持ったものをクリックして再生しているはずです。
それではなぜ、平均再生率・視聴者維持率の高い動画は、インプレッション数を増やしてもらえるのでしょうか。
それは、平均再生率・視聴者維持率の高い動画を見てもらった方が、YouTubeが儲かるからです。
先ほど、「平均再生率・視聴者維持率が高い動画の方が、視聴者に表示される広告の数も増える」という話をしました。
実は、視聴者に表示される広告の数が多いほど、YouTubeも儲かるのです。
YouTubeは、「ある企業の広告が1回表示されるたびに、その企業から課金する」仕組みで収入を得ています。
YouTubeに表示される広告の例
よって、企業からたくさん課金できるように、平均再生率・視聴者維持率の高い動画(=広告がたくさん表示される動画)のインプレッション数を増やし、再生回数が増えるように仕向けます。
以上のような理由から、平均再生率・視聴者維持率が高いほど、再生回数も伸びやすくなります。
「インプレッション数」の仕組みについては、以下の記事で詳しく解説しています。
【参考記事】YouTubeインプレッション数とは?増やす方法&増えない理由|伸びない人は必見
シーンごとの視聴者満足度が分かる
1つの動画における、視聴者維持率の変化・推移を確認することで、シーンごとの視聴者満足度を把握できます。
YouTubeでは、投稿した動画の視聴者維持率の推移を、グラフで確認できます(確認方法・見方はこちら)。
縦軸が視聴者維持率、横軸が再生時間を表します。それぞれの瞬間において、どれだけの視聴者が見てくれたのか、一目でわかります。
YouTubeでは、視聴者が動画を見るのを途中でやめたり、飛ばして続きを見たりが自由にできます。
つまり、視聴者が満足した箇所では、視聴者維持率が高くなります。逆に、不満を覚えた箇所では、視聴者維持率は低くなります。
例えば、以下のように視聴者維持率が推移した動画があるとします。
「A」の区間と比べ、「B」区間の視聴者維持率が急速に低下しています。このことから、「B」の区間で視聴者が離れたと分かります。
このデータを元に、「B」の区間について、以下のような観点で見直すことができるのです。
・音声や編集方法に問題はなかったか?
・視聴者を飽きさせる要素はなかったか?
・視聴者が求めている内容と違ったのでは?
視聴者の満足度を図ろうとするとき、視聴者維持率を確認しない投稿者は多いです。彼らは「再生回数」や「高評価数」などしか見ません。
確かに、動画全体の満足度であれば、これらの指標からも判断が可能です。
しかし、同じ1つの動画の中でも、シーンによって視聴者の満足度は変動します。
例えば、「冒頭と終盤は面白いが、中盤は中だるみしてつまらない」という動画は珍しくありません。
視聴者維持率にまで注目することで、視聴者の細かな反応の変化まで把握し、次回以降の動画制作に活かすことが可能です。
これを見ることで、視聴者が面白い・つまらないと思っている箇所が分かります。
YouTubeの平均再生率・視聴者維持率の見方とは?
それでは、自分の動画における「平均再生率」と「視聴者維持率」は、どのように確認すれば良いのでしょうか。
ここからは、PC(パソコン)とスマホ、それぞれからの見方を、実際の画面をお見せしながら解説します。
パソコンでの見方
最初に、PCから確認する方法を解説します。まず、YouTubeのサイトを開きます。
そして、右上にある自分のアイコンをクリックします。次の画像で赤く印をつけた、丸い形のものです。
すると、次のようなメニューが表示されます。
この中にある、上の画像で赤く囲った「YouTube Studio」という箇所をクリックします。
すると、画面が切り替わります。
ここで、左側にある「コンテンツ」という箇所をクリックします。
見当たらない場合は、次の画像で赤く囲った部分にある、再生マーク(「▶︎」のようなもの)をクリックしてください。
すると、画面が切り替わります。過去に投稿した動画が一覧で表示されます。
平均再生率・視聴者維持率を確認したい動画にマウスのカーソルを乗せてください。
今回は例として、上から2番目にある「test3」という動画にカーソルを合わせた場合にどうなるかをお見せします。
カーソルを合わせると、動画タイトルの下に「縦棒グラフ」のようなマークが表示されます。下の画像で赤く囲った部分です。
このマークをクリックしてください。すると、画面が切り替わります。
そして、画面を下にスクロールしていきます。
ここで、「平均再生率」と「視聴者維持率」を確認できます。以下のような表示です。
例えば、上の動画の場合、平均再生率は「43.8%」となっています。
その下のグラフは、再生時間ごとの「視聴者維持率」の推移を表します。
「縦軸」が視聴者維持率、「横軸」が再生時間(=冒頭からの経過時間)を、何分何秒という単位で表したものです。
特定の瞬間(再生時間)における、詳細な視聴者維持率を知りたい場合は、その経過時点にマウスカーソルを合わせます。
すると、上のようにその再生時間ピッタリにおける、視聴者維持率がグラフ上に表示されます。
上の例では、再生時間「5分17秒」時点での視聴者維持率が、「41%」だったことが分かります。
以上が、パソコンからの平均再生率・視聴者維持率の見方と確認方法です。
スマホでの見方
続いて、スマホからの見方・確認方法を解説します。
これには、YouTubeが提供する無料アプリ「YouTube Studio(ユーチューブスタジオ)」が必要です。次のようなアイコンものです。
動画視聴によく使われる、下の「YouTubeアプリ」からでは、平均再生率・視聴者維持率を確認することはできません。
したがって、スマホにYouTube Studioをインストールしてください。iPhoneでも、Androidでも使うことが可能です。
YouTube Studioを開いたら、画面下側のメニューに表示されている「コンテンツ」という部分をタップします。
すると、画面が切り替わります。そして、過去に投稿した動画が一覧で表示されます。
平均再生率・視聴者維持率を確認したい動画を、タップしてください。
動画をタップすると、以下のように画面が切り替わります。
画面の下の方に、「さらに表示」という箇所があるので、これをタップします。画面が切り替わります。
すると、お目当てのデータが表示されます。見当たらなければ、画面を下にスクロールしてみてください。
「1」の部分のうち、右側が「平均再生率」を表します。上の例なら、平均再生率は「21.2%」ということです。
「2」の部分には、再生時間ごとの「視聴者維持率」の推移がグラフが表示されます。横軸が再生時間、縦軸が視聴者維持率です。
再生時間ごとの詳細な視聴者維持率を数字で確認したい場合、「視聴者維持率」のグラフが表示されている部分をタップします。
すると、次のような画面になります。
この画面内で、上の画像で赤く囲ったグラフ内をタップすると、その経過時間における視聴者維持率が表示されます。
例えば上の例なら、「10分48秒」時点での視聴者維持率が、「34%」であると表示されています。
以上が、スマホからの平均再生率・視聴者維持率の見方・確認方法です。
平均再生率・視聴者維持率の目安や目標は「30%」?
それでは、平均再生率の目安はどれくらいなのでしょうか。また、目標はどう設定すれば良いでしょうか。
これは、設定するとすれば次のようになります。
動画の長さ | 平均再生率の目安 |
---|---|
5分 | 60% |
10分 | 40% |
20分 | 30% |
30分 | 20% |
60分 | 15% |
ここで大切なのは、「動画の尺(長さ)によって、目安や目標は大きく変動する」ということです。
例として、これまでに僕が投稿してきた動画の長さと、平均再生率(視聴者維持率)の一部をお見せします。
パターン1
動画の全長:6分05秒
平均再生率:43.8%
パターン2
動画の長さ:25分44秒
平均再生率:29.3%
パターン3
動画の長さ:1時間14分40秒
平均再生率:15.9%
動画の尺によって、平均再生率に大きな違いがあることが分かると思います。
これは、長い動画であるほど、途中で見るのをやめる人も多くなるからです。
ネット上には、「視聴者維持率の目安は30%」など、動画の尺を無視した情報が多くあります。
しかし、これを気にする必要は全くありません。そもそも、一概に言えるものではないからです。
以上のように、平均再生率・視聴者維持率の目安や目標は、動画の尺によって大きく変わります。
まとめ:YouTube平均再生率/視聴者維持率とは?目安/目標は30%?上げる方法
今回の記事では、YouTubeの平均再生率・視聴者維持率とは何かや、その見方や目安・目標設定、さらには上げる方法まで解説しました。
これらの指標は、広告収入や再生回数にも直結する重要な要素です。この記事が、あなたの改善に役立つことを願っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。