YouTubeの広告収益では、「8分」や「10分」という動画時間が重要だと言われます。
ネット上には、「8分未満や10分未満の動画では収益を受け取れない」という情報まであります。これは、本当なのでしょうか。
今回の記事では、YouTubeにおける8分未満・10分未満の動画の広告収益(収入)について、分かりやすく解説します。
もくじ
動画時間8分未満・10分未満でも広告収益が得られるが…
YouTubeでは、8分未満・10分未満の動画であっても、広告収益を受け取ることが可能です。
「8分以上・10分以上が収益化の必須条件」というのは間違った情報なので、ご安心ください。
YouTube広告のイメージ
8分未満・10分未満の動画でも、その他のものと同様に、広告を挿入できます。
具体的には、主に以下の4タイプのものです。
広告タイプ1:クリック報酬型広告
「関連動画」と並んで、動画の枠の外に表示される広告のこと。
タイプ2:スキップできる動画広告
動画の再生中に、自動的に再生される広告のこと。
視聴者は、「広告をスキップする」をクリックすることで、広告をスキップして動画の続きを見ることが可能。
広告タイプ3:スキップできない動画広告
動画の再生中に、自動的に再生される広告のこと。
視聴者は広告をスキップできず、最後まで見なければならない。
広告タイプ4:オーバーレイ広告(ブラウザ版のみ)
再生中の動画の上に、重なる形で表示される広告のこと。
視聴者は、広告右上の「X」ボタンをクリックすることで、消すことが可能。
それぞれ、以下の条件を満たした場合にのみ、動画投稿者に収益が発生します。
1:クリック報酬型広告
→広告がクリックされると収益発生
2:スキップできる動画広告
→広告動画が30秒以上再生されると収益発生
3:スキップできない動画広告
→広告動画が表示されると収益発生
4:オーバーレイ広告
→広告がクリックされると収益発生
以上のように、時間が8分未満・10分未満の動画であっても、問題なく広告収入を得ることが可能です。
広告収入の仕組みについては、以下の記事で詳しく解説しています。
→【YouTube】1再生の広告収入単価はいくら?収益は何円?
動画時間8分未満では「ミッドロール広告」が入れられない
ただし、時間が「8分未満」の動画に限り、広告収益は伸びにくいです。
この理由は、8分未満の動画には「ミッドロール広告」を挿入できないことにあります。
ミッドロール広告とは
動画の最初と最後ではなく、途中に挿入できる広告のこと
先ほどもお伝えしたように、投稿者は動画に広告が表示されたり、クリックされたりするたびに収益を受け取れます。
ミッドロール広告を挿入できれば、1つの動画に表示できる広告の数が増えるので、そのぶん収益が伸びやすくなります。
図:1つの動画に多くの広告が表示されるイメージ
ただ、これを挿入できるのは「8分以上」の動画に限定されます。
以下は、YouTubeの公式ページ「YouTube ヘルプ」に記載されている文章です。
8分以上の動画をアップロードすると、動画の冒頭と最後だけでなく動画の途中(ミッドロール)にも広告を表示できます。
(引用元:YouTubeヘルプ)
逆に、動画時間が8分未満の場合、広告を入れられる場所は動画の「最初」と「最後」だけです。
つまり、次の図のようになります。
動画時間8分未満の場合、最初と最後しか広告を挿入できない
よって、8分以上の動画と比べ、1つの動画に表示させられる広告数が少なくなります。
このため、収益も伸びにくくなるのです。
以上のように、8分未満の動画はミッドロール広告を挿入できないぶん、広告収入が伸びない傾向があります。
【10分の壁】10分未満の動画もミッドロール広告を挿入できない?
なお、ネット上には8分未満だけではなく「10分未満の動画にはミッドロール広告を挿入できない」という情報もあります。
これは、本当なのでしょうか。
結論から言うと、こちらは古い情報です。現在では、10分未満の動画にもミッドロール広告を挿入できます。
以前は、10分以上の動画にしかミッドロール広告を挿入できませんでした。
しかし、2020年7月末にこの制限が緩和され、8分以上であれば挿入可能になったのです。
以下は、当時YouTubeの公式ページ「YouTube ヘルプ」に掲載されていた文章です(現在は削除されています)。
ミッドロール広告を表示できる動画は、これまで10分を超えるものに限定されていましたが、
7月後半より、8分を超える動画がミッドロール広告の対象になります。
よって、現在では「10分の壁」を気にする必要はありません。
このように、以前は10分未満の動画にはミッドロール広告を挿入できませんでしたが、現在では8分未満でなければ大丈夫です。
例外!広告収益を得られない8分未満の動画
ただ、すべての8分未満の動画が広告収益を得られるわけではありません。
例外として、「ショート(=shorts)」と呼ばれる動画は、広告収益を得られません。
ショート動画の一例
YouTubeに投稿された動画のうち、以上の3つを全て満たすものは、自動で「ショート」に分類されます。
これは、その他の動画と別の扱いになり、広告が表示されません。このため、収益も発生しません。
以上のように、8分未満の動画であっても、ショート動画からは広告収益を得ることができません。
【参考記事】YouTubeショート(1分動画)収益化条件!短いと広告つかない?収入はいつからどれくらい稼げる?儲かる?
ミッドロール広告収入を伸ばすなら8分未満の動画は避けるべき?
こうした現実を踏まえると、広告収入を伸ばすためには、動画時間を8分以上にすべきなのでしょうか。
確かに、それは正しい考え方です。より多くの広告を表示させることで、収入アップのチャンスも増えます。
ただし、注意点もあります。それは、無理に動画時間を8分以上に伸ばしても、収益は増えないということです。
悪い例としては、次のようなものがあります。
⚠️NGパターン⚠️
・前置きを長くする
・テーマと関係ない内容を話す
・「えー」「あー」など、無駄な間をカットしない
なぜなら、このようなことをしたところで、視聴者はすぐに動画を見るのをやめてしまうからです。
すると、せっかくミッドロール広告を挿入しても、それらが視聴者に表示されることなく終わります。
図:視聴者の再生時間が短ければ、広告は一部しか表示されない
先ほども解説した通り、広告は表示またはクリックされなければ、投稿者に収入は生まれません。
ミッドロール広告を挿入し、なおかつそれが表示・クリックされて、ようやく収益が上がるようになるのです。
つまり、8分以上の動画を作っても、視聴者が実際に再生してくれる時間が短ければ無意味なのです。
そうならないためには、視聴者にとってメリットのある形で、8分以上の動画を作る必要があります。
例えば僕の場合、動画の中で情報を「詳しく」「分かりやすく」解説することで、8分以上を目指すことを心がけています。
詳しく・分かりやすく解説すると、動画の時間は確実に長くなります。しかし、視聴者にもメリットがあります。
実際、「丁寧な説明で助かる」「とても分かりやすい」というコメントを頂くことも多いです。例えば、次のようなものです。
このような8分以上の動画を作れれば、視聴者に多くの広告が表示され、収入も伸びていきます。
視聴者が実際に動画を再生している時間のことを、「平均視聴時間」といいます。
広告の表示回数はもちろん、再生回数にも直結する、極めて重要な指標です。これについては、以下の記事で詳しく解説しています。
【参考記事】YouTube平均視聴時間は目安どれくらい?3分は短い?見方も解説(アナリティクス)
動画のジャンルによっては8分未満が正解(ミッドロール広告を捨てる)
なお、動画で扱うジャンルによっては、8分以上の動画を作りにくいものもあります。
例えば、「歌ってみた」「弾いてみた」というような、音楽を演奏する動画です。
一般的な楽曲は、3〜5分前後のものがほとんどです。
よって、動画の時間も8分未満になる方が自然だと言えます。
こうしたジャンルでは、無理に引き伸ばすより、8分未満の動画を量産することをおすすめします。
1つ1つの動画から得られる収益は少なくても、その数を増やしていくようにするのです。
このように、ジャンルによっては8分未満の動画が正解である場合もあります。
まとめ:YouTube動画時間8分/10分未満の広告収益は?ミッドロール広告の真実【旧:10分の壁】
今回の記事では、YouTubeにおける8分未満・10分未満の動画の広告収益や、ミッドロール広告について解説しました。
まとめると、次の通りです。
・8分未満/10分未満の動画にも、問題なく広告収入を得られる(60秒以内の動画を除く)
・8分未満の動画に限り、ミッドロール広告を挿入できないため、1つの動画あたりの収益は伸び悩む
・視聴者にメリットがある形で、8分以上の動画を作ることで、広告収益は伸びていく
僕の発信が、ほんの少しでも役に立てば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。